2026年9月8日

住宅と不動産に28年間携わってきた私が、大切だと感じていることがあります。
それは、
「その家、10年後、20年後も価値がありますか?」
という視点です。
家は家族が暮らす場所です。
思い出をつくり、人生を重ねていく場所でもあります。
だからこそ、住み心地や満足感はとても大切です。
一方で、家は何千万円というお金をかけて取得する大きな資産でもあります。
私は家づくりを考える時、
「住むための家」
だけではなく、
「将来の価値も考えた家」
という視点も持つことが大切だと思っています。
注文住宅で家づくりを始めると、多くの方は建物に目が向きます。
間取り、デザイン、性能、設備、収納。
SNSや住宅展示場には魅力的な住まいがあふれています。
せっかく建てるなら理想の家にしたい。
それは当然のことです。
私自身も、お客様にはできる限り満足できる住まいを実現していただきたいと思っています。
ただ、長年この仕事をしていて感じるのは、
建物にこだわるほど、土地が後回しになりやすい
ということです。
本当は便利な場所に住みたい。
実家の近くに住みたい。
将来も暮らしやすい場所を選びたい。
そんな思いで家づくりを始めても、打ち合わせが進むにつれて建築費は膨らみます。
そして最後に出てくるのが、
「土地で調整しましょう」
という考え方です。
結果として、
希望していたエリアを大幅に変更する。
利便性を大幅に妥協する。
土地の安さを優先する。
こうした選択は決して珍しくありません。
予算が大事。という観点からは一見「正しい選択」のようにも見えます。
ここで誤解していただきたくないのですが、私は郊外を否定したいわけではありません。
私自身、山口県の自然豊かな地域で育ちました。
自然のある暮らしの魅力もよく分かっています。
実家の近くに住みたい方もいるでしょう。
地元への愛着を大切にする方もいるでしょう。
それはとても価値のある選択です。
私がお伝えしたいのは、
本当は住みたい場所があるのに、予算だけを理由に土地を大幅に妥協してしまうこと
についてです。
住宅と不動産の両方に携わってきた経験から言うと、建物と土地では価値の残り方が異なります。
建物は時間とともに価値が下がっていきます。
一方で土地は、立地や利便性、その場所に住みたいと思う人がいるかどうかによって価値が決まります。
もちろん未来のことは誰にも分かりません。
ただ、人口減少や空き家問題が進む北九州都市圏においては、
「どんな家を建てるか」と同じくらい「どこに建てるか」が重要になる
と私は感じています。
そこで私がお客様にお伝えしているのが、
「半住半投」
という考え方です。
半分は住まい。
半分は投資。
だから「半住半投」です。
もちろん投資用住宅を建てるという意味ではありません。
住まいとしての満足と、将来の資産価値の両方を大切にするという考え方です。
家族が笑顔で暮らせる家をつくる。
それを大前提としながら、
将来の売却や相続、住み替えの可能性も少しだけ意識しておく。
それが私の考える半住半投です。
人によって、ご家族によって「家」に対する価値観は様々ですので、「半住半投」の家づくりが絶対ということはありません。
しかし、あえて私が理想として思うのは、
「価値のある(あるであろう)土地に、「コストパフォーマンスの高い家」を建てること。
住み心地も大切。
夢も大切。
こだわりも大切。
でも同じくらい、将来の価値も大切です。
それこそが、家を買うのではなく、暮らしを買うということではないかと思うのです。
建築費高騰、人口減少、空き家問題などに直面したこんな時代だからこそ、
必要な視点だと私は思っています。